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----- MIZUKI Yuu Sound Sketch #75 -----
「ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にある」
僕がいる。
僕は見る。
君が来る。
僕は聴く。
僕は知る。
君が泣く。
僕は書く。
君が取る。
僕は折る。
僕は蹴る。
君が去る。
僕は立つ。
僕は行く。
僕は寝る。
君が揺れる
僕は照れる。
私は食べる。
私は飲みこむ。
私は食器を洗う。
君はお茶をいれる。
私はコーヒーを飲む。
私は新聞を広げて読む。
君は窓を開けて外を見る。
君はどこに行くのと尋ねる。
私はどこに行きたいのと聞く。
僕たちは手をつないで街を歩く。
おだやかな風が僕たちを包みこむ。
風はユリノキの葉をざわざわ揺らす。
揺れる木々の葉の間に青い空が見える。
僕たちは手をつないだまま空を見上げる。
青い空の向こうには漆黒の宇宙空間がある。
僕たちは一緒に夜の空を見上げるのも好きだ。
星座の名前を全部は知らないけれど星が好きだ。
僕たちはカフェの椅子に座って街行く人々を見る。
ベビーカーを押す女性と孫の手を引く老女が通った。
僕はいまは遠くに住んでいる息子のことを思いだした。
僕はテーブルの上にスケッチブックを広げて街を描いた。
急いでやらなければならない仕事があることを知っている。
いまは仕事のことは考えずに君とこうやってすごしていたい。
僕たちがいるこの街や人々や風や光を感じながらすごしたい。
僕が幸せなのは君と僕がこの世界のなかに包まれているから。
どうして詩や歌詞は「君」と「僕」しか出てこないのだろう。
いずれ君も僕もここにいる人々も街も姿を変えていくだろう。
変わらず永遠に存在しつづけるものはこの世にはなにもない。
すべては永遠に姿を変えながら存在しつづける法則しかない。
ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるらしい。
2010年9月30日木曜日
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