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----- MIZUKI Yuu Sound Sketch #12 -----
「Hold Me」 水城雄
汗ばんだあなたの腕が冷たかったので、わたしは尋ねた。
「寒くないの?」
するとあなたはわたしの肩を抱いていった。
「寒くないよ。きみは?」
「だいじょうぶ」
と、わたしは答えた。
わたしは右腕を上にのばして、枕のように頭をその上に乗せていた。その腕を引きよせ、あなたはわたしの身体を腕のなかに抱いた。わたしは自分の腕をさげ、てのひらであなたの胸に触れた。
あなたの胸もやはり汗ばんで、冷たかった。
あなたの指がわたしの背中に触れ、なでていく。髪に触れ、そっとなでていく。
テレビではまたテロと戦争のニュースを告げていた。また大勢の人が傷つき、大勢の人が憎しみあう。
あなたが身体を起こした。わたしはあなたを求めて腕をのばした。
しばらくしてもどってきたあなたの手には、冷たい飲み物の入ったコップがあった。わたしはそれを少し飲み、あなたにも飲ませたいと思った。
だれもが知っているこの気持ち。
でも、わたしも前の人のとき、この気持ちを失い、憎しみが生まれた。あなたにもまた、前のときのように憎しみを抱くときが来るのだろうか。
嫌だ。
「それは嫌」
わたしが声に出していうと、あなたは「なに?」と問いながら、わたしの身体を腕のなかにすっぽりと抱きしめた。
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